【豆腐メンタル】バイト先に引っ越したのに1日も働かず辞めた話
25歳くらいの時、実家暮らしで仕事はしておらずパチスロで日銭を稼いでいた。
この時もう、2年くらい仕事をしていない。今後を考えてそろそろバイトしないとなーと漠然と考えていた。たまに、ネットや新聞の折り込みチラシに入っている求人は見ていたが、自分の経歴でできそうなものは、介護や飲食業しかなかった。
(対人は苦手で介護は無理、飲食は手が荒れるから無理…。)
これらの仕事はあまり気が進まず、いつも見送っていた。
そんな中、ショッピングモール内にある「美術用品の販売スタッフ募集」が目に入った。そこの店は、アニメーションの専門学校に通っていたときに、授業で使う道具を買うために何度か訪れたことがあった。私は、美術用品にはそれなりに興味はあったし、その店の雰囲気も割と好きだった。これなら自分に合いそうだと興味を持った。
ただ、デメリットとして実家からだと少し通うのが面倒なのと、対人に苦手意識があったため「接客」というところが引っ掛かった。
どうしようかなーと悩んでいたら「そうだ、仕事先の近くに引っ越せばいいじゃない」と思い立った。私はこれまで一人暮らしの経験が無く、いつかは家を出たいという願いがあった。
親の目も無くなるし自由に好きなことができる、さらに興味ある仕事に就ける。接客という部分を引いてもお釣りがくる。
自分が独り暮らししている姿と、好きなものに囲まれて楽しく販売をしている姿を想像したら、わくわくが止まらなくなった。
でもまずは、面接に受からないと話が始まらない。ということで早速電話で応募して面接の日取りを決めた。
面接を受け、結果は採用。雇用の契約や仕事の説明などがあるから3日後に来てくれと説明を受けた。
(よっしゃ、とりあえず第一段階はクリア!今度は部屋だ!)
ということで部屋を探すことにした。が、家具が無い。一式揃えようとすると結構な費用がかかるし、運ぶのも大変だ。すぐにそこでピンときたのが、CMで有名なレオ〇レスだった。
家具家電付きで敷金礼金無しって言っているし、CMもバンバン流れてるから信頼性も高い。とりあえず契約もなんか楽そう。とりあえず安易な考えで、すぐに近くのレオパの営業所に行き、物件を紹介してもらった。
とりあえず見学ということで、気になった1Kの部屋を見に行った。
その部屋は2階なのだが入り口が1階にあり、玄関になっていてすぐに2階へ続く階段があった。階段を上がると廊下とキッチンがあり、その先に8畳の部屋がある。テーブル一式、クローゼット、ベッド、テレビがある綺麗な部屋だった。冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの家具も揃っている。トイレと風呂は別。
部屋は綺麗だし、玄関の中に階段があるとかシャレオツ。
私はこの部屋が気に入った。。家賃は月5.5万円、初期費用が20万円くらいで貯金も危うかったが、仕事を始めれば支払いは何とかなるだろうと思いすぐに契約した。
この部屋は仕事場まで、歩きで20分くらいのところにあった。20分歩くのはちょっと面倒くさいなと思って、引っ越したついでと仕事場があるモールの自転車売り場で1.5万円のチャリを買った。
実家から荷物を運び、 あとは仕事が始まるのを待つだけ。25歳からはじめる新生活は楽しみでしょうがなかった。
そして約束していた、最初の仕事場に行く日が来た。緊張しながらも、ワクワクしながらチャリに乗って仕事場に向かった。
事前の話ではこの日はまだ仕事はやらず、雇用契約と少しばかり仕事の説明をして終わりとのこと。
仕事場があるモールに着き案内された部屋に行くと、私の面接担当だったIさんがいた。Iさんはこれといった特徴は無く40歳くらいの普通の人と言った感じだ。まずは挨拶を済ませ(今日からこの人が上司になるのかー)と思いながら仕事の期待に胸が膨らんだ。
まずは、雇用契約する上で基本的な個人情報や、契約内容の確認するをするところから始まった。
Iさん「名前は○○さんでよろしいですか?」私「はい」
Iさん「住所は○○…で間違いありませんか?」と聞かれたので、私は「実はこの近くに引っ越しまして…」と答えた。面接の時はまだ住所が実家だったので、Iさんが持っている紙に書いてある住所とは違った。
私は内心「仕事が決まってすぐに近くに引っ越してくるとは、なんてやる気のあるやつなんだ!」というポジティブな反応が返ってくることを期待していた。初日からインパクトがある私なりのやる気アピールができたと思っていた。
だが、実際は期待していた真逆の反応が返ってきた。
Iさん曰く、前の住所で雇用登録したからまた登録をやり直さなきゃならない、余計な手間をかけさせるな、とのことだった。Iさんに「そういうことは面接の時に言え。」と怒られた。
期待していた反応と逆だったので、めちゃくちゃ凹んだ。それと、心の中では面接に受かるかどうかもわからんのに先に言えるかよと、イラっときた。
とりあえずこのやり取りは終わり、次は施設の利用方法を説明すると、施設内を案内された。スタッフの出入りする場所はここ、休憩室はここという感じで施設内を歩き回った。
そして、スタッフの駐輪場はここね、と言われ私は「あ、今日は向こう(客が利用する)の駐輪場に自転車を停めました」と言った。
するとIさんは「出勤は歩きってなってるけどどういうこと!?」と、またさっきのように急に怒り始めた。Iさんの持っていた紙には歩きと書いてあるようだった。Iさん曰く、労災保険の関係があるから自転車で来るなら最初に言っておけよ、ということだった。
私は面接で仕事場までの交通手段を聞かれた時に「歩きです。そのうち自転車で来るかもしれないですけど」と答えた。少し曖昧な答え方な気もするが、確かにそう答えた。私は内心(いや、自転車で来るかもって言ったんだからそう書いておけよ)と、怒られたことに納得がいかなかった。
ただチキンな私はそう言えるはずもなく、またIさんの説教を受けるハメになった。
まだ仕事も始まってないのに短時間で2回も説教を受け、かなり凹んだ。説教の終わりに私は「はい、指示には従います…」と頼りない返事しかできなかった。
Iさんは大きなため息をつきながら呆れたといった表情で「今日はもう帰っていいよ、次の予定は明日電話で連絡する」と言い、その場をあとにした。
「クビだ。」
この言葉がずっと頭の中を巡り、うつむきながら自転車を押して帰った。完全に心が折れた。さっきまであんな心の中ではしゃいでたのに、一気に何かをする気が失せてしまった。
引っ越したのにやる気が伝わらなかったこと、チャリの件の理不尽さ、Iさんへの苦手意識。仕事を本格的に始める前のやらかした感で、2度と仕事場には顔を出せないと感じた。
そして次の日、かかってきた電話には出ず、そのバイトは1日も働かず終わった。
それから私は仕事への意欲は失せ、再び対人恐怖になった。生活費も底をつき、2年間の賃貸契約を満了するまで仕送りで暮らすネトゲ廃人生活を送った。
メンタル弱いなあ
明日もハレルヤ