精神疾患アラサーよしふでの失敗と黒歴史~まだやれる~

人生情緒不安定。何度もうつ病。アラサー経歴無しでも気にしない

【Youは何しに】職業訓練したのに就活しなかった話

私が27歳の時、仕事はしておらず自分がやりたいと思えるような仕事をずっと探していた。

 

求人を探すときはネットやハローワークを利用していたが、基本的にあるのは介護、飲食業、販売など経験なしで誰でもすぐにできる仕事ばかりだった。定期的に求人が更新されても内容は大体同じ。もし仮に、これらの仕事に就いたところで続く自信はなかった。専門スキルを一つも持たない私には、自分がやりたいと思うような求人は一切なかった。 

 

だが、正直言うとそこまで働く気もなかった。こうして定期的に就活していると「今俺、就活してる」とニートから1歩抜け出せたような気になれて、これだけで満足していた。でもこのままじゃ埒が明かないことも感じていた。

 

私は内向的なので、黙々と作業ができそうなパソコンを使った仕事がしたいと考えていた。自分の適した職が診断できるネットの「適職診断」をやっても、いつもIT系や専門職になるため、自分はやっぱりそういうのが向いているんだなと思っていた。

 

ただ、WEB系の求人はどれも「2年以上の経験」「専門スキルや資格必須」など、未経験の自分は面接の対象にすらならない。

 

お金は無いしスクールには通えない、独学して就職活動するという行動力もない。ないない尽くしの私にとって専門職はずっとできないんだろうなと少し諦めていた。

 

ハローワークの中で佇んでいると、職業訓練の用紙が目に入った。職業訓練は手に職を持てるようなスキルを身に付けるところだとは知っていたけれど、具体的にどういうことをするのか知らなかった。その時「もしかしたら自分に合いそうなものがあるかもしれない」と惹かれた。訓練は有料と無料ので用紙が分かれていたので、すかさず無料の方を手に取り内容を目で追った。

 

書いてある内容は、エクセル・ワード、WEBクリエイター、ネイリスト、といかにも「スキル」という感じの名前が並んでいた。その中でも特にWEBクリエイターが気になった。もしかしたら自分が求めるスキルかもしれないと期待した。

 

ただ、WEBデザイナーに近いような感じはするがよくわからない。どんな仕事かもわからないし家でゆっくり考えようということで、とりあえずそのチラシを持って帰って調べた。

 

「WEBクリエイターはWEBサイトやWEBコンテンツを制作する…」

「これやんけ」

今まさに自分が必要しているスキルだった。

 

しかもこのチラシに書いてある職業訓練は全て無料で受けられるため、金のない私にうってつけだった。(ちなみに、条件を満たしていれば月10万円の職業訓練給付金を受けながら受講できる。)

 

もうこれしかないと思い、後先考えずにハローワークの相談員に相談した。

私が希望する訓練は午前と午後の部があった。午前は既に予約で埋まっていたので午後を希望した。

 

ただし、応募したからといって訓練を受けられるわけではなく、適性をはかる面接をパスしなければ訓練は受けられないという話だった。とはいっても、相談員の人の話ではよほどのことがない限りは大丈夫とのこと。ひとまず手続きだけ済ませて、後日、面接が行われるWEBクリエイターの訓練を行う教室に向かった。

 

WEBクリエイターの訓練を行う教室は、最寄駅から電車で30分程の駅、そこから歩いて5分くらいのところにある。

スマホの地図を見ながら指定の場所に行くと、2階建ての建物があった。そこは1階がコンビニで、2階はなんかの事務所っぽくて明かりがついていた。裏の方に周り2階へ続く階段を見つけたが、何も書いてなかった。(本当にここで大丈夫か…)と疑いつつもとりあえず階段をあがり、事務所のドアを叩いた。

 

すると、4,50代の女性が出てきて職業訓練の面接がうんぬん…と言われとりあえず合ってたみたいで安心した。そして、小さい部屋に案内されてそのまま1対1で面接を行った。

内心何を聞かれるかドキドキしたが、バイトの面接くらいの簡単なものであっさり終わった。

そして事は淡々と進み、半年間の職業訓練が始まった。

 

訓練は平日の午後3~9時まで。受講内容はHTML、CSSphotoshop、illstrator、japascript、PHP、その他WEBマーケティングなど。(知らない人がこの字面を見るとめまいを起こすかもしれないが、1から学んでいけば慣れる)これらを半年で覚え、修了制作で自分のサイトを提出するといったものだった。

 

講師は40代のWEBクリエイターと補助の女性が1人。生徒は私を含めて6人で、30代2人、40代2人、50代1人、20代は私1人で男性4人女性2人と少人数だった。ちなみに午前の部は20人くらい。

 

教室内には長机が横3列、縦5列という感じで並んでおり、長机1つで2人分の席があった。午後の部は6人しかいなかったため、1人で長机1つという感じで贅沢にスペースを使えた。

 

この職業訓練の最終的な目標は「就職」ということで、IT系の求人サイトの紹介、教室の後ろに求人情報が張り出されていた。そのため訓練が途中であっても、就職が決まればそちらを優先する。

 

そして、月1で最寄りのハローワークに行き、「出席」「授業の進捗や感想など」の報告が義務付けられていた。一定の出席日数を満たしていないと、辞めさせられる。とまあ、このような環境や条件で、訓練は進んでいった。私は淡々と1人でする作業が肌に合ったのか、授業や課題をこなすのが割と楽しかった。

 

しかし、WEBの勉強にのめりすぎて、就活のことなどどっかいってしまった。また、無職から「WEBスクールの生徒」という立場になったことで社会活動している気になり、「やることやってるから」という意識でそれ以外の時間をネトゲや自分の好きなことに費やした。

 

訓練終了の2か月前から修了制作がはじまると、私は家に帰ってからも修了制作の作業に打ち込んだ。他の人は制作をしつつ、その間しっかり就活もしていた。

 

そのおかげと言ったらなんだが、自分でも割と満足できるようなWEBサイトができた。講師にも褒められ、私は頑張って作った甲斐があったと嬉しくなった。

そして、半年間楽しく勉強ができ、職業訓練を充実して終えることができた。

 

その結果、燃え尽きてしまった。

今までに溜め込んだエネルギーを一気に使い切ってしまったため、そこで力が尽きてしまった。

 

一応求人サイトを見るものの、未経験の募集の無さ、求人募集している企業の公式サイトに写っているスタッフ達の闇落ちした弱者を全て拒むかのようななまぶしい笑顔。それらにやられて就活する気が完全に失せてしまった。

その後は自分のスキルが生かせるようなWEB系の求人は見ていない。

 

ここで思う、俺は何しにWEBスクールに行ったのだと。

 

余談だけど、会社のサイトに満面の笑みのさわやかなスタッフの写真があると怖すぎてそのページはそっ閉じする。こんな人と一緒に仕事することを考えただけでもどっと疲れる。

それとIT系なら根暗の優秀なエンジニアが寄り付かなそうなイメージあるけどどうなんだろう。まあ向こうも根暗なんて求めてないんだろうけど。まあ、いいや。

 

明日もハレルヤ